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第一回 → 第二回 → 第三回 → 第四回 → 第五回
第三回です。
第二回では構図について書きました。どうやらど真ん中に被写体が来るとアウトになるらしいです。しかしカメラというのはど真ん中にピントを合わせるようになっています。一体どうやってど真ん中から被写体をずらすのか、この辺りを書いてみようと思います。
方法は二通り。
・撮影の際にフォーカスロックでずらす
・画像編集ソフトでトリミング(切り取り)をする
基本は前者です。
後者は何十枚、何百枚とある写真を全てに施すのは無理です。「これだ!」という写真にのみトリミングはすれば良いと思います。
ということで「フォーカスロックで被写体を中心からずらす」についてです。
中心から被写体をずらす、と言う事で前回「空間を空ける」と書きましたが、具体的にどこに被写体を持って行けば良いのかは書いてませんでした。
そこで用いるのは三分割法です。非常に解りやすいです。画面を縦と横に三分割し、その交点に被写体を持ってくれば良いだけです。
例えばこういう写真がそれに則った撮り方です。
右下の交点に被写体が存在

右上の交点に被写体が存在

左下の交点に被写体が存在

いかがでしょうか。
最初の写真に関しては三分割法に則り、かつ被写体の向いている方向の空間が大きく空いています。まさに王道です。
尚、三分割法と似たようなものに、黄金分割法というものもありますが、三分割法とほぼ同じ位置のようなものなので割愛します。
では撮っている時にいちいちそんな分割法を考えて撮っているかというと、実はそうでもありません。
「多少ずらせば、いい感じになる」
くらいの軽い気持ちです。
動物などはそんなこと考えながら待っているわけにはいきませんので、ひたすら連写して、後から好きな位置に来るようにトリミングするという考え方もできます(賛否はありますが)。
ガチガチに考えてしまってはシャッターチャンスを逃すというものです。
以下の写真は交点から若干外れていますが、別に問題はありません。
左上の交点付近に被写体が存在

左下の交点付近に被写体が存在

いかがでしょうか。これでずらす方向と、どの位置にずらせば良いのかは解りました。
ではどうやってずらすのか、という事になります。
そこで覚えなければいけないのが、「フォーカスロック」です。
難しそうな横文字ですが、使ったことはあるはずです。シャッターボタンを半分押した状態で止めると、それがフォーカスロック状態です。
私はこれを幼少の頃に父から教わり、「なんだか知らないけど、これでピント合わせてから自分の好きな構図で撮ればいいんだな」と勝手に思ってました。つまりお子様でもできる、特に難しくない操作ということです。
具体的な操作方法ですが、例えば以下のような被写体を捉えていたとします。

テーブルに置いた植物とミカンです。どうでもいいですがミカンは和歌山県は有田産。
黒い四角いものが数個ありますが、これを測距点(そっきょてん)と言います(測距点の数や位置はカメラの機種によって異なります)。
測距というのは読んで字の如く「距離を測る」という意味です。距離を測ってどうするかというと、焦点を合わせるのです。
よって、この複数ある点の中のどれかで焦点を合わせるということになります。
現在どの点で焦点が合っているのかは、シャッターを半押しした際にどれかが光ります。その点が焦点の合っている点です。

この例の場合は中心が赤く光っています。
ちなみに複数の測距点が光る事もあります。この場合は自動測距モードです。勝手に適当な場所に焦点を合わせるモードだと思います。使わないので正直よく知りません。
自動測距で無い場合は、おそらくど真ん中の点が光っていると思います。通常ど真ん中の点は一番精度が高くなっています。周辺の点の精度が悪いのは、コストの問題なので、高級機種を使っている場合は中央以外も精度が高くなっています。
高級機種を使ってようとコンデジであろうと、中央に合わせておくのが間違いありません。中央以外の点に合わせてしまうと、うっかりそのまま別の場所で撮ってしい、意に反したフォーカスになってしまうからです。
自動測距になっていたり、中心では無い場合は中心にセットしましょう。やり方はマニュアルをご参照下さい。
では中央に焦点の合う状態で、どうやってずらすかと言うと、ここでフォーカスロックが出てきます。
フォーカスロックを含む一連の手順はこうなります。
1.一番見せたい被写体を中心に置く

2.シャッターを半押しにする(フォーカスロック)

3.半押しのまま、カメラを少し動かして構図を決める

4.半押しから深く押してシャッターを切る

とても簡単です。
但し重要なのは手順3の「カメラを少し動かす」という部分です。フォーカスロックをした状態で、「やっぱり一歩下がろう」と動いてしまったら意味がありません。この場合は手順1からやり直しです。
少し前に田園調布の銀杏並木で、「撮って下さい」と来られた老夫婦のデジカメがフォーカスロックの無いタイプでした。数々の「撮って下さい」をこなした私としては「写ルンです」以来のショックでした。
※写ルンですも勿論フォーカスロックはありません。
あと最近流行りの「顔認識」というのは、上記のように一旦中央でフォーカスを合わせなくても勝手に顔にフォーカスを合わせてくれるので、上記手順の2と4だけで完了します(大胆に言ってしまえば手順4だけでOKです)。
ということで総括しますと、以下の通りです。
・だいたい縦横三分割した交点に被写体を置く
・半押し(フォーカスロック)を使って被写体を自由な場所に置く
第二回と第三回の内容だけで、グッと魅力ある写真が撮れるようになると思います。撮影する前に少し思い出して頂き、上手に撮れればクセになってしまいます。そこから先は自由です。タブーをあえてやってみるのも一興でしょう。
次回第四回は「絞り優先AE」についてです。
写真の撮り方ハンドブック
著者:河野 鉄平
販売元:誠文堂新光社
発売日:2008-08
おすすめ度:
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第二回では構図について書きました。どうやらど真ん中に被写体が来るとアウトになるらしいです。しかしカメラというのはど真ん中にピントを合わせるようになっています。一体どうやってど真ん中から被写体をずらすのか、この辺りを書いてみようと思います。
方法は二通り。
・撮影の際にフォーカスロックでずらす
・画像編集ソフトでトリミング(切り取り)をする
基本は前者です。
後者は何十枚、何百枚とある写真を全てに施すのは無理です。「これだ!」という写真にのみトリミングはすれば良いと思います。
ということで「フォーカスロックで被写体を中心からずらす」についてです。
中心から被写体をずらす、と言う事で前回「空間を空ける」と書きましたが、具体的にどこに被写体を持って行けば良いのかは書いてませんでした。
そこで用いるのは三分割法です。非常に解りやすいです。画面を縦と横に三分割し、その交点に被写体を持ってくれば良いだけです。
例えばこういう写真がそれに則った撮り方です。

右上の交点に被写体が存在

左下の交点に被写体が存在

いかがでしょうか。
最初の写真に関しては三分割法に則り、かつ被写体の向いている方向の空間が大きく空いています。まさに王道です。
尚、三分割法と似たようなものに、黄金分割法というものもありますが、三分割法とほぼ同じ位置のようなものなので割愛します。
では撮っている時にいちいちそんな分割法を考えて撮っているかというと、実はそうでもありません。
くらいの軽い気持ちです。
動物などはそんなこと考えながら待っているわけにはいきませんので、ひたすら連写して、後から好きな位置に来るようにトリミングするという考え方もできます(賛否はありますが)。
ガチガチに考えてしまってはシャッターチャンスを逃すというものです。
以下の写真は交点から若干外れていますが、別に問題はありません。

左下の交点付近に被写体が存在

いかがでしょうか。これでずらす方向と、どの位置にずらせば良いのかは解りました。
ではどうやってずらすのか、という事になります。
そこで覚えなければいけないのが、「フォーカスロック」です。
難しそうな横文字ですが、使ったことはあるはずです。シャッターボタンを半分押した状態で止めると、それがフォーカスロック状態です。
私はこれを幼少の頃に父から教わり、「なんだか知らないけど、これでピント合わせてから自分の好きな構図で撮ればいいんだな」と勝手に思ってました。つまりお子様でもできる、特に難しくない操作ということです。
具体的な操作方法ですが、例えば以下のような被写体を捉えていたとします。

テーブルに置いた植物とミカンです。どうでもいいですがミカンは和歌山県は有田産。
黒い四角いものが数個ありますが、これを測距点(そっきょてん)と言います(測距点の数や位置はカメラの機種によって異なります)。
測距というのは読んで字の如く「距離を測る」という意味です。距離を測ってどうするかというと、焦点を合わせるのです。
よって、この複数ある点の中のどれかで焦点を合わせるということになります。
現在どの点で焦点が合っているのかは、シャッターを半押しした際にどれかが光ります。その点が焦点の合っている点です。

この例の場合は中心が赤く光っています。
ちなみに複数の測距点が光る事もあります。この場合は自動測距モードです。勝手に適当な場所に焦点を合わせるモードだと思います。使わないので正直よく知りません。
自動測距で無い場合は、おそらくど真ん中の点が光っていると思います。通常ど真ん中の点は一番精度が高くなっています。周辺の点の精度が悪いのは、コストの問題なので、高級機種を使っている場合は中央以外も精度が高くなっています。
高級機種を使ってようとコンデジであろうと、中央に合わせておくのが間違いありません。中央以外の点に合わせてしまうと、うっかりそのまま別の場所で撮ってしい、意に反したフォーカスになってしまうからです。
自動測距になっていたり、中心では無い場合は中心にセットしましょう。やり方はマニュアルをご参照下さい。
では中央に焦点の合う状態で、どうやってずらすかと言うと、ここでフォーカスロックが出てきます。
フォーカスロックを含む一連の手順はこうなります。
1.一番見せたい被写体を中心に置く

2.シャッターを半押しにする(フォーカスロック)

3.半押しのまま、カメラを少し動かして構図を決める

4.半押しから深く押してシャッターを切る

とても簡単です。
但し重要なのは手順3の「カメラを少し動かす」という部分です。フォーカスロックをした状態で、「やっぱり一歩下がろう」と動いてしまったら意味がありません。この場合は手順1からやり直しです。
少し前に田園調布の銀杏並木で、「撮って下さい」と来られた老夫婦のデジカメがフォーカスロックの無いタイプでした。数々の「撮って下さい」をこなした私としては「写ルンです」以来のショックでした。
※写ルンですも勿論フォーカスロックはありません。
あと最近流行りの「顔認識」というのは、上記のように一旦中央でフォーカスを合わせなくても勝手に顔にフォーカスを合わせてくれるので、上記手順の2と4だけで完了します(大胆に言ってしまえば手順4だけでOKです)。
ということで総括しますと、以下の通りです。
・だいたい縦横三分割した交点に被写体を置く
・半押し(フォーカスロック)を使って被写体を自由な場所に置く
第二回と第三回の内容だけで、グッと魅力ある写真が撮れるようになると思います。撮影する前に少し思い出して頂き、上手に撮れればクセになってしまいます。そこから先は自由です。タブーをあえてやってみるのも一興でしょう。
次回第四回は「絞り優先AE」についてです。

著者:河野 鉄平
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なるほどね・・真ん中だと構図的にはダメなんですねっ。ふむふむ。それ、普段何気に使ってます。
でもずらすなんて思いもよりませんでしたワン。
ふふふ・・こんな横着な説明が一番私にはあっているのかも、です。笑〜。