第一章でボケが大事と書きました。そんな重要なボケ、種類は2種類しかありません。
前ボケ」と「後ろボケ」です。

2つの違いは “主体の前でピントが合っていない” か “主体の後ろでピントが合っていない” かのどちらかです。簡単ですね。

簡単に試すのであれば、先の章で述べた通り、ご自身の目で確かめれば簡単です。目の前20cmの位置に人差し指を持ってきて焦点を合わせてみてください。


…ほら、どうですか、だんだん寄り目になって来ました。
そのお顔を写真に撮っておきたいですね。




それは冗談ですが、背景がボケますよね。
逆に背景に焦点を合わせると目の前にある指はボケてますよね。

[ 後ろボケの例 ]
[ 前ボケの例 ]
図8-1:前ボケと後ろボケの簡単な試し方


これらの前ボケ、後ろボケ、主体より少しでも前や後ろにあればボケるというものでもありません。
この辺は上記の指の実験でわかると思います。例えば後ろボケとなっているディスプレイにどんどん指を近づけて行きましょう。また前ボケになっている指も同じようにディスプレイに近づけてみましょう。

図8-2:どこでも背景や前景はボケるの?

どうでしょう。主体と近くなったものはボケの具合も小さくなってきますよね。

今は人間の目で確かめていますが、実際はレンズが目の代わりです。
標準レンズ、マクロレンズ、望遠レンズなどレンズによってボケ具合は違います。但し共通して言えるのは、最も望遠の状態(テレ端)で手前の主体にピントを合わせた時は背景は大きくボケます。

では後ろボケの作例を見てみましょう。


 
図8-3:後ろボケの例

いかがでしょうか。上段はマクロレンズ、下段2枚は望遠レンズとなっています。

望遠レンズではだいぶ後ろの方にあると思われるものが、なんとなく形を残していますよね。背景はハッキリと写ってませんが、何があるかはわかるかと思います。

仮にこのボケている背景がクッキリと写っていた場合を想像してみてください。
例えば左下の葉っぱと滝の写真、葉っぱか滝かどっちが主体に見えると思います?ちょっと想像しただけでも迷いますよね。

パッと見て主体がどれか迷う写真は基本的に失敗です。

そうならない為にボケを使うという事です。



続いて前ボケの作例です。

 

図8-4:前ボケの例

いかがでしょうか。左上だけがマクロレンズ、その他は望遠レンズでの撮影となっています。

前ボケの用途で最も多いのは、“見せたく無い部分を簡単に隠す”という事です。この辺りは分かりやすいかと思います。



では次に前と後ろ、両方にボケを取り入れてみるとどうなるでしょうか。

   

 
図8-5:前ボケと後ろボケを両方取り入れた例

いかがでしょう。より幻想的になる感じを受けますよね。

これだけボケているのに何となく花を撮ったのかは分かるかと思います。

ちなみに左上のハナニラの写真の場合、実際は以下のような光景でした。

図8-6:ハナニラ写真のボケが無い場合

ちょっと上の辺りに葉っぱが見えてゴチャゴチャしていますよね。
もしここに大きな前ボケがあればどうでしょう。スッキリするかもしれません。

そこで私が使ったのが、その辺に落ちていた葉っぱです。





図8-7:ハナニラ写真の仕掛け

三脚にカメラを固定し、あいた手で葉っぱを持ってかざしました。
とても簡単に理想の形にもっていく事ができます。

ちなみに「レタッチでどうにかする」という手段もありますが、基本的にレタッチで行うと、素人では不自然さが残ります。私も得意げにやった割には後日「なんか違和感があるな」と思う事も多いです。

間違いなく言えるのは、撮影時に工夫した方が間違い無く綺麗という事です。



以上の通り、後ろボケ、前ボケ、または手で作るボケなどを駆使することで、より印象的に仕上がるということになります。

尚、みなさんが気になる事としては、本体購入時に付いてきた「標準レンズ」で凄いボケが作れるのかどうかだと思います。基本的には大きなボケを望むとするなら厳しいです。

上にも書きましたが、最も望遠側(テレ端)にした状態で、最短焦点距離に主体を置けば間違いなく背景はボケます。ただ、標準レンズの場合、ボケの量は少ないかもしれません。

手っ取り早く大きなボケを手に入れるのであれば、望遠レンズが良いです。

新たなレンズは資金面もあって投資しにくい所ではありますが、私が愛用している望遠レンズ(Canon EF75-300 F4-5.6 IS USM)なんかは現時点(2009/5)で実売価格は7万円。オークションでは2〜3万円で取引されています。高級な部類ではありませんが、それでも上記のような写真が撮れます。

またマクロレンズなども上記例の通り非常に大きなボケが作れます。


次はついに最終章。グランドフィナーレ「さよならするのはつらいけど」です。

ということで今回のまとめ。

・前ボケ、後ろボケを使って、主体を生かそう!


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