「構図」は、楳図かずおと似ていますが関係はありません。
というのを前回書いて勝手に気に入った為、もう一度書いておきます。

まずこの講座では風景写真がメインとなりますので、「風景写真とは」から始めたいと思います。

風景写真とは、誰でも見ることができる普通の風景を写真にしたものです。当たり前ですよね。そしてその風景は「富士山の見える丘」でも「夕日の見える海岸」でも良く、「近所の公園」でも構いません。むしろビギナーにとっては観光地より近所の方が良いくらいです。

「名所より近所の方がいい?ウソばっかり言うなよ。」と思われた方は、よく考えてみてください。
例えば絶景と言われる名所に出向いて、定番の撮影スポットから撮った写真、それを見ながらこう問いかけて下さい。

「この写真は他の人でも簡単に撮れますか?」

この答えが「はい」となる場合、その写真は既に出回っています。

少なからずこの講座を見ておられる方の目指す写真は、“人の心を動かす事”が目的です。“ここに行きました”では無いのです。
そう考えると、プロカメラマンや無数のアマチュアカメラマンが競い合うような有名な観光地というのは、ビギナーにとっては断然不利なのです。

またビギナーは失敗が付きものです。失敗してナンボですので、取り直しの効かない遠くの観光地よりは、近所の方が有利なのです。


図2-1:有名な観光地の例


 

 
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図2-2:近場の方が、春夏秋冬いつでも撮れて練習になる!

「近所に撮影できるようないい場所は無いよ」

と真っ先に思われる方も、例えば都心に住んでいる者にとっては、田園風景は絶好の被写体です。地方のかたにとっては、都心のビルは絶好の被写体です。
お庭にある無数の花々も立派な被写体です。

意外と身近に撮影スポットがあるのに、無視していませんか。非常に勿体ない事です。色々な被写体がありますが、それでも見つけられないという方の為に、思いつくヒントを書いてみたいと思います。

少し登るだけで妙な岩や斜面があるかもしれません。私が小学生の頃は「アリジゴク」という砂地の斜面が山頂近くにあり、よく通ってました。木や森、清流など被写体の宝庫です。
動きのある波、磯、釣り人、船、ヨットなど多くの被写体があります。
公園(庭園) 普通の公園(遊具があり、お子様が遊んでいるような公園)だと、風景写真というよりはスナップ風になってしまいます。スナップ写真はなかなか難しいので、池や木など風景に変化のある公園を選んだ方が良いと思います。あとはやはり花。花の多い所が良いですね。
名所 近くにヨソの人が「名所」と言ってくれる場所があるなら、そこは是非通い詰めるべきでしょう。プロのカメラマンでも勝てないのは「地元のアマチュアカメラマン」です。
庭がある人は、まさに自分好みのフィールドを手に入れたようなものです。季節を感じる花々を植えてガーデニングとカメラを両方楽しんでしまえば良いと思います。私はお庭を持ってませんので羨ましい限りです。
飛行機・電車 有名な被写体です。主に男性が魅力を感じる被写体だと思います。そのメカメカしさを存分に出すか、夕景と合わせて豪快さを出すか、方法は様々です。
車・バイク ご自身の乗り物であれば、好きな場所を背景として撮る事ができ、しかもドライブも兼ねられます。私はどちらも持っていませんので、「ツーリング先の大きな木の下に置かれたバイク」といったものに憧れを感じます。
自宅 主にテーブルフォトと言われるものです。風景写真とは違いますが、自宅の小物をライティングを駆使して撮るのは面白さがあります。料理、雑貨、観葉植物なんでも御座れです。


逆に主体として難しい被写体も書いてみます。(あくまで経験上からの個人的な考えです)

河川の下流 川とは言っても整備の行き届いた下流は堅そうなイメージとなってしまい、自然風景としては似合わなくなってしまいます。主体にするには難しいかもしれません。
空だけを毎日撮り続けるのは難しいでしょう。そうそう変化も無く、フレーミングに工夫をしても同じような絵になりがちです。朝陽、夕陽などは主体というよりも主体を生かす為の光や背景として使う方が圧倒的に多いです。
街路 日常風景というのはスナップに向いているのですが、スナップ写真とはただ適当に撮れば良いものではありません。奥が深いです。そもそもビギナーが一眼レフを持って町を闊歩するのは相当な勇気が必要です。このご時世、勝手に撮られる事が不快に感じる方も多いので難しく感じます。
お寺・神社・城 あえて難しい部類に入れてみました。厳かな感じを出させる為、しっかりとしたフレーミングが必要になると思います。私は過去に神社で自信を失いました。
むしろこちらが得意という方も多いと思います。私は苦手です。花は権利を主張したり、失敗しても怒らないですから。得意な方はこちらに集中するべきでしょう。プロになれば芸能人も撮れる可能性がありますよ。


いかがですか、意外に難しい部類のモノを日々一生懸命撮っていたりしませんか。難しいものをいつまでも撮り続ける強い精神があれば良いですが、それによって撮る事がつまらなくなるようであれば、別のものに着目すべきです。


さて被写体を探し当てた後、どの様に写真に収めるか、これが今回の本題となります。


「構図」と言う言葉をよく耳にしたことがあると思います。「構図がいい」「構図が悪い」などと使われますが、「構図」とは一体何でしょうか。

例えば以下の2枚の写真を比べて下さい。




図2-3:どっちの構図が良い?

どちらが“グッ”と来ましたか?
もし最初の写真という方がいれば、残念ながら以後の内容は役に立ちません。

自分の“感性”と言われるモノが他人と合っているかどうかが非常に重要です。
写真を10人に見せて、8人が「イイ!」と言うものは間違いなく良いのです。まずはこれを目指しましょう。

その為にはまず、何が良くて何が悪いのかを知っておかなければいけません。グッと来た、グッと来ない、という曖昧な感覚だけでは良い写真は生まれません。「なぜ良かったのか」「なぜ良くなかったのか」を分析して先に進める必要があります。


まずは上記の最初の写真と後の写真について、なぜ良くてなぜ悪いのかを説明します。


図2-4:なぜ悪い構図なの?

主体になっている花の向きを見て下さい。矢印の通り、右上を向いてますね。ではその右上のスペースはどうでしょう。狭いですよね。


図2-5:なぜ良い構図なの?

対してこちらはスペースが空いてますよね。これで安定感が出るのです。人でも同じです。向いてる方向のスペースを空ける事で安定感が出ます。

この辺りの詳しい内容は次の章でお話します。

以下より、向いた方向のスペースを空けている参考写真を載せておきます。
 

   
(クリックすると大きくなります)
図2-5:向いた方向の空間ができているサンプル

どうですか。どれもセオリーに則ってる為、安定感があると思いませんか。


構図についてはいかがでしたでしょうか。“グッと来た”“グッと来ない”という抽象的な判断を行わず、なぜグッと来たのか、なぜグッと来ないのかを常に意識した方が良いと思います。

撮った本人は現場での苦労をよく知っている為、多少悪くても「イイ写真だ」と思いこんでしまう傾向にあると思います。現に私もそうです。

今はWEBサイト上で世界中の人に見せる事ができます。写真共有サイトにアップロードすれば参考になるご意見が頂けるかもしれません。

こう考えてみて下さい。女性がミニスカートで街に出るとしましょう。「自信を持ってミニスカートで街に出たら、ストッキングが伝線していた」なんて事があれば、次回からは伝線してないかチェックして出かけますよね。

写真も同じです。ちょっと勇気を出して公開してみると、思いもかけない所に感動していたり、批評を頂く事ができます。次回からはそれに気を付けてみれば良いのです。
ちょっと面倒な感じもしますが、クセにしてしまえば自然と意識できるようになりますので、頑張ってみてください。


次の章では、今回お話した構図の中の基本「三分割法」についてお話したいと思います。

ということで今回のまとめ。

・風景写真は取り直しの効く近場で撮ろう!
・他人と感性が合っているかを写真アップロードサイトなどで確認しよう!


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