玉ボケ、別名丸ボケをご存じでしょうか。
写真を見た方が早いでしょう。

初春の朝
初春の朝 posted by (C)葱

こういった丸いボケが出ている部分を言います。

例えばこの写真で玉ボケが無かったらどうなるか。ヘタクソレタッチを入れて確かめてみましょう。

玉ボケ削除

花は綺麗に撮れていますが、それだけで空いた空間が少し気になると思います。

そこで寂しい空間を埋めるのに玉ボケを使うのです。
玉ボケの効果はマンガで言えばメルヘンチックなコマの背景を思い浮かべて頂ければわかると思います。
主人公の浮かれた顔と玉ボケのようなトーン、そして擬音語で「ポワワーン」とでも描いてあれば幻想的な所を表現したい事がよくわかります。

そんな玉ボケ、どうやってファインダーの中におさめるかは重要な点です。

なんでもかんでも太陽の光をファインダーに取り入れれば良いというものではありません。基本的には弱い光を使いますので直射日光は避けるべきです。

またレンズによっても玉ボケの出方が違います。

玉“ボケ”というくらいですから、基本はボケているのです。ということは、例えば50mmレンズで数m先の被写体を狙って後方がボケるかと考えると、ボケの程度は弱いと思います。
グッとボカして、そこに弱い光を入れるのです。

“グッとボカす”ということは、マクロレンズでも望遠レンズでも、“被写体”と“玉ボケにしたいもの”は距離を置くという事が重要です。


ということでこれらの条件が当てはまる場所を探します。

私の場合は日の出間近の弱い光をよく使います。
ロケーションはこういう感じです。
周辺環境

朝の弱い光とは言っても、直射日光だと強すぎます。玉ボケどころか、白飛びして終わりです。ですので、中間に木や葉を挟んで光を分散させます。

うまくいけば以下のような玉ボケが撮れます。
キラキラの梅
キラキラの梅 posted by (C)葱

2輪
2輪 posted by (C)葱

キラリ
キラリ posted by (C)葱

さくら
さくら posted by (C)葱

キラキラにんじん
キラキラにんじん posted by (C)葱



ちなみにレモンのような形の玉ボケができる場合もあります。
その場合は光の入射角がキツイのが原因です。

例えば以下の左の写真の様に、正面から撮影した時のレンズの形は円です。対して斜めから撮影するとレンズの形が楕円です。この楕円の状態で玉ボケを撮影するとレモン型になってしまいます。

レンズ正面  レンズ斜め

ということで、綺麗な玉ボケを作る場合は、光を正面から受けるというのも大事です。


また、背景に太陽が無くても玉ボケはできます。日中の強い光の場合、背景に太陽が仮にあっても、光が強すぎてできません。そこで反射光を使います。
反射光は例えば背後のビルの壁面に反射しているとか、水面に反射しているなどといったものになります。

もっと弱い、草に反射した光というのも使えます。

菜の花
菜の花 posted by (C)葱

この写真の場合、背景は草しかありません。しかし草も日光を反射して少なからず光があります。
それを見逃さない事が重要です。


他には明るい花の色を玉ボケにする事もできます。

桜と黄色
桜と黄色 posted by (C)葱

望遠レンズで撮影しています。
光では無いので、多少玉ボケが弱いですが、花を使う場合はこんなものではないでしょうか。


ということで玉ボケの作成方法、ご理解頂けたでしょうか。
大きくボカした背景に弱い光を入れる事で、玉ボケができるという具合です。

尚、F値による玉ボケの大きさ制御についてはこちらの記事をご参照下さい。
花の撮影方法/梅や桜の撮影方法

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