写真を撮っている方で、「撮った写真を改変(レタッチ)するのは悪である」と考えている方はおられないでしょうか。

例えばトリミング。撮影時には気にしなかった物が画面の隅に入ってしまうという事は最初の頃はよくあると思います。
または人物削除。風景に見合わない人物が写ってしまった場合は削除したいものです。
ゴミの除去。画像の隅に偶然写ってしまった黒点を取りたい、また花に付いていた蜘蛛の巣を取りたい。
色を強調したい。

などなどレタッチとは言っても非常にたくさんの事があります。
勿論、現場で「隅に異物が入らないように移動する」「人物が入らなくなるまで待つ」「被写体の周りを綺麗にする」というのはやっておくべきです。
とは言え、そこまで時間をかけてじっくり撮った挙げ句にただのボツ写真になるのであったら、それは時間の無駄かもしれません。

写真というのは改変をしない事が正しいという事ではありません。
考え方としては、まず様々なメーカーのカメラを10台準備して同じ風景を撮ると、そのカメラの味が出て来ると思います。コントラストが強かったり、周辺光量が落ちていたりなどです。つまり見た目をそのまま撮っているわけでは無いのです。
フィルターを付けるとまた一風変わった絵にもなります。

またプリントするのであれば、自販機で印刷するのと、ラボで印刷するのは雲泥の差が出ます。

つまり、どこかのポイントで実際の色とは違ってくる事は多いのです。

そう考えると、レタッチによって色を強調し、より多くの人が感動できる写真に仕立てるのは全く悪い事ではありません。「必要悪」と仰る方もいますが、そもそも悪じゃないと言えると思います。

例えば目の前にある花をファインダーで覗きながら「あー、あそこに黒いゴミがあるな。でもレタッチで消せるからいいや」、というのは悪です。ゴミに気づいたら撮影前に取り除くべきです。
対して崖の合間にある花にゴミが付いていたらこれはレタッチで消すべきです。掃除しに行けば命を落とします。

プロの方も女優の顔のシミを消したりするのは日常茶飯事です。人の体をスリムにしたりすることもできてしまいます。シミ消し程度であれば、できない方がどうかしているでしょう。

ということで、写真技術の一つとしてレタッチを捉えている私が、今まで行ったレタッチを画像を交えて簡単に述べてみます。

■人の削除
レタッチ前
百段苑_人有り


レタッチ後
百段苑_人無し


いかがでしょうか。この写真はコンパクトデジカメの画像で、2005/5/4に撮影しています。
つまりゴールデンウィークなわけで、人をどけて撮る事がほぼ不可能に近い時期になってます。
よってこの場合はレタッチで消したい場面になると思います。

結構大変ですが、やればできるな、と思ったのがこの頃です。

■色の強調、ゴミの削除
レタッチ前
てんとうむし


レタッチ後
てんとうむし(レタッチ)


こちらは超ローアングルの写真です。
まずレタッチ前よりレタッチ後の方が花の白さが出ているのと共に、てんとうむしの赤が強調されています。また花びらのゴミも除去されています。
背景が明るいので、花びらの影に隠れている主題のてんとうむしは光量不足となり、鮮やかさが欠けています。

本来であれば、下からレフ版に代わる何かで光をあててあげるのでしょうが、超ローアングル撮影の一発勝負の為、撮影準備に手間取ると主題が逃げてしまいます。よってレタッチとなりました。

■虫の削除
レタッチ前
踊る花_元画像1


レタッチ後
踊る花


こちらもゴミの削除と同じですね。レタッチ前と後でどこが違っているか分かりますでしょうか。
花の裏側に黒いゴマのようなものが少し見えると思います。
問題の箇所を拡大してみましょう。

問題箇所の拡大
踊る花_元画像_拡大


アブラムシですかね。
無数の虫がへばりついてました。これも超ローアングル撮影の為、ファインダーを覗かずに撮影しています(40Dのライブビューを使ってます)。40Dのディスプレイで確認したくらいでは分かりませんでした。

そもそも分かった所で、岡山駅前の人通りの激しい場所という事もありまして、この虫をどけようという気にはなりません。
ということでレタッチは正しいと感じます。

■理想に近づける
レタッチ前
あっかんべー


レタッチ後
あっかんべー2


これは正直心が痛むレタッチです。基本はここまでのレタッチはしません。

このワオキツネザルは私の目の前にいたのですが、親の方がなぜか舌を出してボーっとしてました。
撮影している私としては心の中で「よし、子供も舌を出せ!」と祈っていましたが、さすがにそこまでのミラクルは起きませんでした。

「理想はこうだったんですよ。」とか書いてるうちに、「これをレタッチするとうまくできるのか」という疑問が沸いてきたので早速やってみたという具合です。

この写真を見ると「すごい瞬間だ!」と誰しも思ってしまうので、心が痛むというわけです。
商業用の何かに使うのであれば問題無いと思います。

ちなみにこの場合、親の舌をコピーして、子供用に「ゆがみ」などを加えて、親の舌の形とは別に見えるように加工しています。
恐るべしPhotoshopElements。


ということで今回はレタッチについて書いてみました。
最近は安いソフトで簡単にできるので、カメラ技術の一つとして覚えておくのも良いかもしれません。

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